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世紀の発見 [宇宙のロマン]

 ちょっと古い話ですが(といっても今年1月のこと)、米カリフォルニア工科大学の研究者たちは、1月20日に、太陽系外縁部に9個目の惑星とみられる物体が存在している証拠を発見したと発表しました。

この星は通称「プラネット・ナイン」。カリフォルニア工科大学によると、地球の10倍の質量を持ち、太陽から海王星の平均距離(約45億キロ)より20倍遠く離れた軌道を1万~2万年かけて周回しているそうです。なお、この天体は木星や土星などと同じガス惑星とみられるとか。



研究者が実際にこの惑星を観測したわけではないけど、他の研究結果から第9の惑星が存在するとの結論を導き出した。
研究者によると、海王星の軌道の外側に広がる「カイパーベルト」と呼ばれる領域に、軌道が特定の方向にとがっている複数の天体があり、数学的なモデルやコンピューターを駆使したシミュレーションから、こうした複数の天体の軌道の形成に影響を及ぼす重力を持つ惑星が存在するとの結論に至ったのだそうです。(参照記事



第9惑星の想像図 (Credit: Caltech/R. Hurt (IPAC))
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ロゼッタ探査機- 10年の宇宙の旅 [宇宙のロマン]

 ESA(欧州宇宙機関)が2004年3月2日に打ち上げたロゼッタ探査機が、8月4日、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に無事到着した。
ロゼッタ探査機は10年という長い年月をかけて目的である彗星に到着したわけだが、天文学的には10年という時間は一瞬の何億分の一かも知れない。 (ちなみに日本の「はやぶさ探査機」は7年かかって地球に帰還しているが、これははやぶさにトラブルが発生したために帰還が遅れたものであり、当初の予定通りであれば4年で帰還する計画であった)



アリアン5Gロ+ケットでフランス領ギアナから打ち上げられたロゼッタ探査機

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Credit: ESA/CNES/ARIANESPACE

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インフレーション理論の綻び? [宇宙のロマン]

 今年3月、ハーバード大学などの研究チームが、アルベルト・アインシュタインが予言した宇宙の“重力波”の観測に成功したと発表し、世界中で話題をさらった。宇宙は138億年前の誕生直後から急激に急激に膨張したことを示す証拠を初めてとらえたと発表したが、この発見が誤りだった可能性が大きくなってきた。



 研究チームは南極の望遠鏡で観測を行い、ビッグバンの名残である宇宙マイクロ波背景放射(CMB)と交差する驚くほど強力な重力波の痕跡を発見したと報告した。1980年台初頭に佐藤勝彦・自然科学研究機構長と米物理学者アラン・グース博士が提唱した「インフレーション(急膨張)」理論を裏付ける観測結果と科学界では受け取られ、「ノーベル賞級の成果」と話題になった。



南極点望遠鏡(South Pole Telescope, SPT) Credit: Wikipedia
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ハッブル宇宙望遠鏡、打ち上げから24周年 [宇宙のロマン]

 NASAのハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げの第24周年を記念して、天文学者は地球から6400光年離れたモンキーヘッド星雲(NGC 2174)の赤外線写真を公開した。モンキーヘッド星雲はオリオン座の中に位置し、ガスや塵の雲が融合して新しい星が生まれる、「星のゆりかご(星形成領域)」として知られている。


ハッブル宇宙望遠鏡
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この画像はハッブルの強力な赤外線キャッチ能力を示すとともに、次期宇宙望遠鏡として打ち上げが準備されている『ジェームズウエッブ望遠鏡の探知能力への期待をさらに高まらせている。



今回、NASAが公開したモンキーヘッド星雲の写真(クリックすると拡大できます)
NGC 2174
IMAGE CREDIT:NASA/ESA/HUBBLE HERITAGE TEAM (STScI/AURA)

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米国の火星有人宇宙船計画、着々と準備進む [宇宙のロマン]

 NASA(米航空宇宙局)が火星有人飛行のために開発中の次世代有人宇宙船「オリオン」の打ち上げが来年の9月に決まった。NASAは2030年代半ばまでの火星有人飛行の実現を目指し、来年秋から試験飛行を開始する。政府機関閉鎖の影響で中止が懸念されていた火星の大気を調べる無人探査機「メイブン」の打ち上げも予定通り11月18日に行われ成功した。米国の威信をかけた“火星一番乗り”に向け、準備は着々と進んでいるが、片道だけで半年以上かかる過酷な旅を克服するには、解決すべき課題も山積している。


月面軌道上の「オリオン宇宙船」(Credit: NASA) 
オリオン宇宙船

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すばる望遠鏡、アンドロメダ銀河の全体像を撮影 [宇宙のロマン]

 すばる望遠鏡に搭載され、本格的な観測を始めた超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam (ハイパー・シュプリーム・カム) が、アンドロメダ銀河M31の姿を鮮明に捉えた。アンドロメダは一般的にも有名な銀河で我々の天の川銀河の隣にある。日本やハワイから見える銀河としては見かけの大きさが最大のものだ。

すばる望遠鏡に搭載された HSC がとらえたアンドロメダ銀河M31の姿
(クレジット:HSC Project / 国立天文台)
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そのため、従来の地上大望遠鏡ではその姿を一度に捉えることができなかったが、今回すばる望遠鏡に新たに搭載されたHSCによって、見事にアンドロメダ銀河の全容を一度で撮影することができた。HSCは満月9個分の広さのエリアを一度に撮影できる世界最高性能の超広視野カメラだ。独自に開発した116個のCCD素子を配置し、計8億7000万画素を持つまさに巨大なデジタルカメラである。

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44光年の距離にある大地球 [宇宙のロマン]

ハートフォードシャー大学(英国)とゲッチンゲン大学(ドイツ)の共同研究チームは、地球から44光年離れたHD 40307星の隣に生命が存在する潜在的可能性のある惑星を発見した。

HD 40307を周回する巨大地球型惑星の想像図
  HD 40307星
Credit:J.Pinfield/Hertfordshire Univeesity


同研究チームは、ヨーロッパ南天天文台 (ESO) が南米チリで2003年から運用している太陽系外惑星の観測装置「HARPS」(High Accuracy Radial Velocity Planet Searcher=高精度視線速度系外惑星探査装置)を使用して発見したもので、このESOの分光器は世界最先端のもので3.6m望遠鏡に設置されている。

チリのラ・シヤ天文台にあるESOの天体望遠鏡群
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2012年 宇宙写真コンクール入賞作 [宇宙のロマン]

英国のデイリー・テレグラフ紙が開催した『2012年度世界風景写真コンテスト』の中から、「自然と宇宙」の分野受賞作品を紹介します。


ノルウェーの壮大な真冬のショー (撮影:アリルド・ハイトマ氏)
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最優秀賞を授賞した『M51銀河』 (撮影:英国王立天文台のマーティン·ピュー氏)
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『超新星残骸「とも座A」』まさに"宇宙のバラ” (撮影:ロヘリオ·ベルナル 米国)
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100年宇宙船とスペースコロニーの構想 Part-3 スペースコロニー編 [宇宙のロマン]

スペースコロニー

 

さて、恒星間旅行で、“もっとも快適そうで理想的そう”なのがスペースコロニータイプの宇宙船ではないか、と私は思います。 ということで、今回はスペースコロニーについて見ることにしましょう。

 

オニール博士によるスペースコロニーの想像図

スペースコロニー1974

Designed in 1974 by Dr. Gerard O'Neill (Founder of the Space Studies Institute, www.ssi.org)



スペースコロニーは、1969年にアメリカのプリンストン大学にて、ジェラルド・オニール博士と学生たちのセミナーの中において、惑星表面ではなく宇宙空間に巨大な人工の居住地を建設するというアイデアから誕生しました。
それが1974年にニューヨーク・タイムズ誌に掲載されたことから広く一般に知られるようになりました。
 

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100年宇宙船とスペースコロニーの構想 Part-2 亜光速旅行 [宇宙のロマン]


亜光速旅行


さて、前回までに見てきた原子力ロケットエンジンは、すべて亜光速に達するものですが、太陽系外の惑星などに到着するためには超長期にわたる航行期間が必要であり、そのためには快適な居住スペースが不可欠です。これは無重力、もしくは弱い重力の環境に人間が長時間住むと生体機能に支障をきたすためです。そのほかにも寿命の問題や精神面の問題もあります。

 恒星間旅行には快適な居住スペースをもつ宇宙船が必要となる

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恒星間宇宙船には有人・無人(ロボット宇宙船)の2種類があり、どちらのタイプを選択するかによって恒星間宇宙船に大きな違いをもたらしますが、ロボット宇宙船の場合なら致命的な故障となる機械的なトラブルも、十分な技術力を持つクルーがいる有人恒星船の場合なら、トラブルをクリアできるという大きなメリットがあります。 

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