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建設界の巨匠 オスカー・ニーマイヤー Part 2 [人物]

ニエマイヤーの偉業、今回は住宅編からです。(前回の記事はこちらから)

住宅の設計


ニエマイヤーはミナス州知事の依頼に応えて、ほかにもベロオリゾンテ市の州立図書館や学校の設計もします。
そして、この時期にニエマイヤーは多くの住宅の設計も手がけています。
彼の父親が週末をすごすために農園にあった鶏小屋の基礎を利用して別荘(“プルデンテ・デ・モラエスの家”)を建築。元の鶏小屋がどんなものだったかわかりませんが、鶏小屋とは似ても似つかない(?)立派な別荘です。

しかし、これらの住宅設計の中でもやはり注目に値するのは、ニエマイヤーが彼自身のために設計した家のものでしょう。傾斜地を利用して建てられたこの家は、海を眺望できる場所にあり、一階はガラス張りでカーブのある屋根を細い鉄柱で支えた構造になっており、寝室などの部屋は階下となっています。

ニエマイヤーによるミナス州立図書館のデッサン
ミナス州図書館Dessan

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共通テーマ:アート

建設界の巨匠 オスカー・ニーマイヤー Part 1 [人物]

建築界の巨匠、オスカル・ニエマイヤー氏が今月の5日、104歳の偉大な生涯を終えました。

日本ではオスカー・ニーマイヤーの名前で知られていますが、ここではブラジルでの呼び名にしたがって「オスカル・ニエマイヤー」とします。

オスカル・リベイロ・デ・アルメイダ・ニエマイヤー・ソアーレス・フィーリョ(Oscar Ribeiro de Almeida Niemeyer Soares Filho、1907年12月15日 ~ 2012年12月5日)は、ブラジル、リオデジャネイロ市生まれの建築家。

ニエマイヤー氏の手がけた建築の中でも、もっとも有名なのが首都ブラジリアの首都計画でしょう。

ブラジリア1.jpg


1934年にリオデジャネイロ国立芸術大学建築学部を卒業後、ルシオ・コスタ&カルロス・レオン設計事務所に勤め始め、この時代に最初の設計『オブラ・デ・ベルソ(Obra de Berço)』(1937年完成)をてがけます。

同時期、ニエマイヤーが働いていた設計事務所は、連邦政府から教育厚生省の新ビル設計を委託されます。 この設計にあたって、設計事務所は当時、すでに有名だったスイス人の設計家ル・コルビュジエ(Le Corbusie)を主任設計技師として契約し、コルビュジエの下に優秀な設計技師を5人付け、すでにその才能の頭角を現していたニエマイヤーもその中に入れられました。

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新型ビジネスジェット レガシー 500 [サイエンス]

エンブラエル レガシー500

エンブラエルが6年の歳月と7億5千万ドルをかけて開発した新型ビジネスジェット、Legacy500が先週、初フライトを無事成功させました。 エンブラエルと言っても知らない人も多いと思いますが、売上高85億ドル(約6400億円)を誇る、世界第3位[ぴかぴか(新しい)]の航空機メーカーです。


エンブラエルの最新型ビジネスジェット レガシー500 (ファーストフライト) legacy-500ff.jpg

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44光年の距離にある大地球 [宇宙のロマン]

ハートフォードシャー大学(英国)とゲッチンゲン大学(ドイツ)の共同研究チームは、地球から44光年離れたHD 40307星の隣に生命が存在する潜在的可能性のある惑星を発見した。

HD 40307を周回する巨大地球型惑星の想像図
  HD 40307星
Credit:J.Pinfield/Hertfordshire Univeesity


同研究チームは、ヨーロッパ南天天文台 (ESO) が南米チリで2003年から運用している太陽系外惑星の観測装置「HARPS」(High Accuracy Radial Velocity Planet Searcher=高精度視線速度系外惑星探査装置)を使用して発見したもので、このESOの分光器は世界最先端のもので3.6m望遠鏡に設置されている。

チリのラ・シヤ天文台にあるESOの天体望遠鏡群
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2012年 宇宙写真コンクール入賞作 [宇宙のロマン]

英国のデイリー・テレグラフ紙が開催した『2012年度世界風景写真コンテスト』の中から、「自然と宇宙」の分野受賞作品を紹介します。


ノルウェーの壮大な真冬のショー (撮影:アリルド・ハイトマ氏)
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最優秀賞を授賞した『M51銀河』 (撮影:英国王立天文台のマーティン·ピュー氏)
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『超新星残骸「とも座A」』まさに"宇宙のバラ” (撮影:ロヘリオ·ベルナル 米国)
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100年宇宙船とスペースコロニーの構想 Part-3 スペースコロニー編 [宇宙のロマン]

スペースコロニー

 

さて、恒星間旅行で、“もっとも快適そうで理想的そう”なのがスペースコロニータイプの宇宙船ではないか、と私は思います。 ということで、今回はスペースコロニーについて見ることにしましょう。

 

オニール博士によるスペースコロニーの想像図

スペースコロニー1974

Designed in 1974 by Dr. Gerard O'Neill (Founder of the Space Studies Institute, www.ssi.org)



スペースコロニーは、1969年にアメリカのプリンストン大学にて、ジェラルド・オニール博士と学生たちのセミナーの中において、惑星表面ではなく宇宙空間に巨大な人工の居住地を建設するというアイデアから誕生しました。
それが1974年にニューヨーク・タイムズ誌に掲載されたことから広く一般に知られるようになりました。
 

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100年宇宙船とスペースコロニーの構想 Part-2 亜光速旅行 [宇宙のロマン]


亜光速旅行


さて、前回までに見てきた原子力ロケットエンジンは、すべて亜光速に達するものですが、太陽系外の惑星などに到着するためには超長期にわたる航行期間が必要であり、そのためには快適な居住スペースが不可欠です。これは無重力、もしくは弱い重力の環境に人間が長時間住むと生体機能に支障をきたすためです。そのほかにも寿命の問題や精神面の問題もあります。

 恒星間旅行には快適な居住スペースをもつ宇宙船が必要となる

space_ship.jpg

 

恒星間宇宙船には有人・無人(ロボット宇宙船)の2種類があり、どちらのタイプを選択するかによって恒星間宇宙船に大きな違いをもたらしますが、ロボット宇宙船の場合なら致命的な故障となる機械的なトラブルも、十分な技術力を持つクルーがいる有人恒星船の場合なら、トラブルをクリアできるという大きなメリットがあります。 

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100年宇宙船とスペースコロニーの構想 Part-1 アポロ11号から恒星間旅行まで [宇宙のロマン]

アポロ11号で世界で初めて月面に降り立ったニール・アームストロング氏が8月25日に亡くなりました。



“これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。
(That's one small step for [a] man, one giant leap for mankind.)”




と月面でアームストロング宇宙飛行士が語った言葉はあまりにも有名です。(アポロ11号についてはこちらに特別記事があります)

月面に降り立ったアームストロング船長

ニールアームストロング




さて、人類が月に到着したのは1969年7月20日。

それからすでに43年経ったわけですが、よく考えれば、あの当時予想されたほど宇宙開発は進んでいません。



ちなみに、LobyがSF映画の傑作と考える『2001年宇宙の旅』では、題名通り2001年には人類がすでに惑星間航行(木星まで)をやることになっていますが、2001年どころか、2010年(続編の『2010年宇宙の旅』ではソ連が木星まで宇宙船を送り込む話になっている)をとっくに過ぎた2012年になっても、人類は月から先に一歩も足を伸ばしていません。


もっともっと宇宙開発を進めて欲しいと思う気持ちと、偉大な足跡を宇宙開発史に残したニール・アームストロング氏の功績に思いを馳せつつ、今日は“人類の夢”である、恒星間旅行について話したいと思います。

 

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